日本の医療制度には、他の国とは違う特徴が3つあります。
1つ目は、いつでも誰でも、医療を受けられることです。
日本には国民皆保険制度があります。
それは国民全員が公的医療保険に加入し、健康保険料を支払うことで、みんなで助け合う仕組みです。
健康な人は病院に行く機会がないので、健康保険料を支払うのがもったいないと思うかもしれませんが、これまでは健康でも、これから先、いつ病気やけがをするかは誰にもわかりません。
そのため、いつでも誰でも必要な医療を受けられるようにするには、国民皆保険制度が不可欠なのです。
2つ目は、自分で自由に医療機関を選べることです。
健康保険証があれば、全国どこの医療機関でも必要な医療を受けられ、投薬してもらえます。
日本ではこれが当たり前ですが、ヨーロッパでは、居住地域にある医療機関やあらかじめ自分が登録した医療機関を最初に受診しなければならないという決まりがある国が少なくありません。
3つ目は、健康保険証があれば、診察や検査、投薬、手術などが受けられることです。
この場合、70歳未満の人は医療費総額の3割相当額を医療機関に支払います。
しかし100万円かかる医療を受けた場合、患者は30万円も負担しなければならず、誰でもが支払えるわけではありません。
そういうときのために高額療養費制度があります。
この制度では、1か月の患者の負担額の上限を定め、それを超えた分は全額還付することで、どんな人も平等に医療を受けられる仕組みを提供しています。
負担の上限額は収入や年齢によって異なります。