知っておきたい後期高齢者医療制度のこと

年を重ねていくといずれは後期高齢者医療制度に加入します。
しかし後期高齢者医療制度には注意点あるため、そのことをよく知っておく必要があるでしょう。
※後期高齢者医療制度がよくわからない⇒社会保障制度の未来~後期高齢者医療制度とは~

たとえば夫が働き、妻が専業主婦の家庭があったとします。
夫は妻より年上です。
その夫婦が年をとった時、夫婦共に国民健康保険に加入している場合であれば、夫が75歳になると夫の方は自動的に後期高齢者医療制度に加入され、妻は国民健康保険のままで何もする必要はありません。

一方、夫が74歳まで会社員等の社会保険や共済組合に加入していた場合、夫の在職中は被扶養者となる妻の保険料の負担はありませんでしたが、夫が先に75歳になった時点で、夫は後期高齢者医療制度の被保険者となり、後期高齢者医療保険料を支払います。
そして後期高齢者医療制度には扶養という考えがないため、妻は新たに国民健康保険に加入しなければなりません。

後者の場合の妻は、第3号被保険者と呼ばれる会社員などの配偶者で、これまで保険料を支払わなくても病院での支払いが3割負担で済んでいた人たちです。
これは厚生年金に加入するサラリーマンの専業主婦が、収入がないので保険料が払えないために未加入でいると、離婚した場合に老後に無年金というような事態が起こることを懸念して、1986年にサラリーマン世帯の主婦には保険料を徴収しないで強制的に加入させる、第3号の制度が導入されたことによるものです。
この制度のおかげで、家事や子育てに忙しく働きに行けない専業主婦も、病気や老後の心配をしなくてよくなったわけです。
こうしたことを考えると、後期高齢者医療制度による妻への新たな保険料の負担もしかたがないとも言えるのではないでしょうか。
その時のために、余裕があるときには少しでも貯金をしておいた方が良いでしょう。